海上自衛隊ヘリ搭載護衛艦『かが』に乗ってきました。

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日本国の護衛艦最大排水量『かが』

ヘッドライン

日本で一番大きな護衛艦かがが地元に寄港しましたので乗ってきました。

かがは、ヘリ搭載護衛艦で、海外ではヘリ空母などと言われています。
近い将来、甲板の改修を行いF-35B(垂直離着陸型戦闘機)の離着艦が可能なように改修することが発表され、事実上の空母化されることが決まっています。
その改修前の甲板に立ってみました。

先般、米国大統領のドナルド・トランプが立ったことでも有名

先般、米国現役大統領として海上自衛隊艦艇の甲板に立ったことでニュースにもなったその船がこのかがでした。実際に、乗ってみると、ここにトランプ大統領が立ちました!って、シールが貼ってありました。

乗艦前の感想・感触

私は息子(小3)の夏休みの思い出に…と思い連れて行きました。
本当の地元の港ということもあり、歩いて行きました。
しかしながら、すごい混雑。
2km先の橋から渋滞で、聞くところによると、その2kmで、1時間くらいかかるほどの込み具合だったそうです。
その点、歩きは楽ですね。駐車場も気にしなくていいし。
ただ、疲れます。
結果かなり大きな艦船が停泊できるクラスの港です。港の入り口から、実際に係留されているところまでだけでも1㎞近くあるんじゃないかと思います。
しかも梅雨明け即でしたので暑いのなんのって。。。へばりそうでした。
しかし、遠目からでも見て目立つ大型艦です。興奮を抑えながら歩いていました。
息子はまだまだ世間を知らない子供ですので、それが船だとわかるまで、ずっと壁か小学校があると思っていたようでした。
いざ船だとわかったときの興奮した顔は忘れられませんw

当日の動画

当日の動画がyoutubeにあげられていましたのでこちらをご覧ください。

そもそもかがとは

諸元やスペックなどは調べていただければわかろうかと思います。

かがという名前ですが、第二次大戦前に存在していた艦船名です。
その名も【加賀】。現在の自衛隊の命名規則ではひらがなで艦船名を付けるルールになっていますのでひらがなになっておりますが、艦船名の源流は大戦前に存在した加賀から来ています。

先代の加賀は、大日本帝国海軍所属艦船で空母でした。

先代空母加賀(Wikipedia)

先代の加賀は、戦艦だったものを改装し空母化した艦船でした。
その後、正規空母として翔鶴・瑞鶴を完成させる大日本帝国ですが、その時代、赤城と加賀は帝国海軍の空母の象徴のような位置づけでした。
加賀については、甲板に余計なものを付けたくない思考並びに煙が立ち込め甲板が見えなくなることを避けるため横づけ下向きに煙突を取り付けた独特のフォームで有名です。

そんなかがの次代が、今回寄港した【かが】へと艦名が引き継がれたことになります。

艦これの加賀をイメキャラに

なにが驚いたと言って、乗艦すると、最初に格納庫に通されるのですが、そこに大きなパネルで艦隊これくしょんの加賀さんのパネルが掲示されていたことでした。
加賀さんは旧帝国海軍の空母がモチーフですので、海自も暗黙の了解として次代(かが)へ、艦船名を引き継いだことを示しているのだなと感じました。

乗艦してみて

まず最初は、格納庫に通されます。
空調が効いたスペースとなっており、艦の中とはいえ大変快適でした。
普段はおそらくヘリコプターが満載される格納庫なのでしょうが、今回は展示が目的なのでヘリは展示用ヘリ1基のみでした。
大変大きな格納庫で、幼稚園程度の体育館が3つ分ほどの大きさでしょうか。
ビックリするくらい大きいですね。
ただ、この先改修してF-35が搭載されると考えたら、そこまで大きいのかな?とも思いました。
今回は実質空母化するのが目的で、その後新造艦で10~30基程度搭載できるさらに大きな護衛艦が登場するのでしょう。

格納庫の次は、格納庫に搭載されている前方エレベータに乗って甲板へ上がることができます。
さすがにヘリを甲板にあげるエレベータですからそれはそれは大きい。
そして何より上下動が早い。
当たり前ですが、有事が発生してかががその現場でヘリをあげる必要がある状況に陥ったとしたら、それは少しでも早く甲板にあげなければいけないわけですから。早いのは当たり前なのですが。
速度調整が可能だったとしたら今日は、ひとが載っているからということでそれでも速度を落として運行していたかもしれませんね。

そして、甲板に上がり第一印象はやはり【でかい!】でした。

子どものあそび程度なら十分できますし、全周をマラソンがてら走るのなら私の様な体力のない人間は2周できるかどうか。。。というくらい大きいです。
それもそのはず。同時離着艦が最大5機できるわけですから大きくて当たり前と言えば当たり前です。
最も、同時に5機も離発着させるような事態は相当な非常事態なのでそういうことが起きないことが良いわけですが。。

そして、艦の先端に日の丸(日章旗)、艦の最後尾に海上自衛隊の旗(旭日旗)が掲げられていました。
この旗、日本国を守るために日々頑張っておられるのですね。本当に頭の下がる思いです。

空母らしい右側に寄ったアイランド

そして、今も昔も変わらないんだなと思ったのが、【アイランド】、いわゆる艦橋です。
第二次大戦期には、帝国海軍には艦橋の無い空母も存在していましたがやはり視認性の悪さなどからなのか、いまだ主流は艦橋が甲板にあるタイプです。
海上自衛隊のそれも、全通甲板ではありますが、艦橋がしっかり存在し進行方向側から見て右側、前後から見て中央部に設置されています。
この艦橋が、船の運航をつかさどり、無線やレーダーを受け取り、ヘリの離発着、ミサイル発射などを管制しています。
前後位置中央の理由は、おそらく、発艦は艦橋より前方、着艦は艦橋より後方で行うような流れから、艦橋を中心に分けているのかなと思いました。
米海軍の空母は発艦デッキ、発艦用カタパルトは艦橋の反対方向側に、進行方向から見ると左前方斜め方向に設置されており、艦橋がまったく関係しないように設計されています。
米海軍空母は考えつくされた効率的な設計なんだなといつも思います。とはいえ、米海軍空母はスーパーキャリアと言われる超大型艦船で、戦闘機や爆撃機など、攻撃兵器を離着艦させるための船で、専守防衛を旨とする日本国の自衛隊にはふさわしくないとも思われます。強襲揚陸艦(名前は攻撃的ですが。。。用途を考えれば防衛兵器とも言えます)程度が日本国にはベストではないかと思います。
それらを踏まえ、現在の海上自衛隊最大級の護衛艦かがは、空母ではないこと、通常の空母用戦闘機の離発着用途の艦船ではない事を考えると、このような大型艦船にはならないにしても、将来米海兵隊の強襲揚陸艦程度のものになる可能性は大いにあるのかと思いました。ぜひそうなっていってほしい。自分の国は自分で守りたいですよね。

そして最後に、乗組員。
乗組員の態度に感動しました。
乗り入れる乗客への態度から降りるときにお年寄りや子供に対する配慮、節々に立っていて、質問に答える姿、すべてに感動を覚えました。
この人たちがこの船を動かすのなら大丈夫。そう思えました。

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