不安定なECの売り上げでお悩みの方必見!不安定なのは入り口商材が不安定だから?

伸びるときは伸び、ダメなときはダメ、グラフにするとジェットコースターのような波を作るネットショップ。
売り上げが不安定で、広告予算も仕入れ予算も作れず困っているというネットショップオーナーさんが非常に多いことがわかりました。

さて、安定して売り上げを作っている店舗さんや大きな売り上げを維持している店舗さんはたくさんありますが、共通しているのは、どんな時でも安定して売れる【入り口商材】を持っておられることが一つとして挙げられると思います。
入り口商材というのはそんなに重要なのか?と問い合わせをいただきますので、私の考察(実体験も織り交ぜて)を書いておきたいと思います。

入り口商材はあなたのネットショップの要です!

ヘッドライン

扇子の要『かなめ』というのがわかりますか?

扇子の要は、骨を集め、まとめている部分、ちょうど手元の位置で、鋲のようなもので骨をまとめてある場所です。
開くとき、閉じるときの中心となる部分です。
普通に扇子を使っていると一番壊れる場所がこの要の部分が多いのではないかと思います。
そして、要が壊れると、センスはバラバラになり使えなくなります。スグに治せればいいのですが、これまた簡単に治せそうな部分でもなかったりします。
要というのは扇子にとっては非常に重要な部位で、生命線ともいえます。
そう言った部分なので、物事の最も大事な部分などのことを【要】(かなめ)というようになりました。
『この話の要(かなめ)は、○○の部分です。』などというときは、この扇子の要の部分と同じように、目立たなくとも最も重要な【キモの部分】はここですよというときに使われますよね。
会社や組織などの場合、要の部署が総務部と言われたりすることもあります。確かに、業務はもちろんだけど、人事系の仕事や労務系の仕事をこなす総務関係の部署がしっかりしていないと組織は回らないことも多いですからね。

私は、ネットショップを運営していくにあたり、売り上げを安定させ、そして向上させる【要】となるのは入り口商材であると考えています。

扇子の要の見てください!これが入り口商材が回ったときの絵です!

上記の扇子の写真を見てみましょう。
要の部分(白い鋲のようなものが刺さっているところ)がありますが、その要の部分にすべての骨が集まり、広げたときはこの要を中心に放射線状に広がっていますね。
私の言う入り口商材とはまさにこのような商材のことをいいます。

要の鋲の部分が入り口商材の商品ページだったとします。骨が閲覧者の行動だとした場合、入り口商材のページを見て、その他の商品へ放射線状に広がるようにお客様が閲覧しているような図ととらえることができます。
このような顧客の回遊を作ることができれば、安定した売り上げにつながるのは火を見るよりも明らかだと思いませんか?

入り口商材がメイン商材である場合

こんな面倒なことではなく、本当に売りたいメイン商材が売れてくれればこんな放射線状に広がってくれる必要もないんだよ
と、言われます。
はい。本当にその通りです。
しかし、まず一つに、ほとんどの場合、そのメイン商材は同ジャンル同種の商品でライバルも多いのではないでしょうか。
正攻法では大資本に勝てないです。これはインターネットでもリアルでも同じです。よっぽど革新的な機能を付けた差別化が図られるか、ビックリするくらい安く提供できない限り、ライバルに勝てません。

入り口商材には入り口商材らしい定義があります。(後述します)
それを叶えているメイン商材であればメイン商材が入り口商材という構図が成り立ちますので近道できますね。
ただ、扇の要を見ていただければわかるとおり、広げれば放射線に広がる位置づけになるのが入り口商材です。
それだけ(その商品のみ)を売るより、周辺のものを一緒に売ればそれだけ売り上げが伸びるというものです。
閉じた扇子より広げた扇子の方が面積が大きいでしょう。

入り口商材の定義

入り口商材になりえる商品には望ましい条件があります。

即決できる価格である(おおむね2,000円以内)

おおむね2,000円以内の商品の場合、購入する際の心理としては、『この価格なら失敗しても、まぁ仕方がないか。。。とりあえず買ってみよう!』と、思うことができる限界の価格だと思っています。(物にもよりますので一概には言えませんが一般的にはこれ以下の価格の場合にそう思うことが多い)
ネットの場合、確実に思うのは1000円以下の商品です。
1000円以下の商品の場合、機能や効能もさることながら、仮に違っていても、仕方がないかとあきらめてもいいと感じるレベルの価格帯です。
その入り口商材が1,000円以下で、同種のライバル商品より価格的に優位であれば売れないはずがありませんよね。

同種の商品でライバルより安価に提供できる

自分たちの取扱商品の中では安いから。。。では、いけません。
同種のライバル商品と比較しても価格的に優位であるかどうかというのは重要です。
ほかの商品よりかなり安い!必要はありませんが、同じ程度か少しお得なくらいのものの方がいいでしょう。
機能と価格を比較したら安い!とか、エコで消費電力を考えると安い!というのは入り口商材には向いていません。
なぜなら、即決できなくなるからです。

在庫を切らすことはない

在庫については軽視されがちですが、これはかなり重要な要素です。
ちょっと売れたら在庫が切れるようでは、要が弱くてすぐ壊れる=店舗への導線が崩壊することにつながりますよね。
例えば、スーパーで今日の目玉セール品のキャベツが開店して1分で消えるくらいしか在庫がないとわかっている場合、そのスーパーに夕方に行く人はどれほどいますか?
と、いうのと同じです。目玉セール品は少しでも切らさないように潤沢に在庫を用意しておく必要があります。
メイン商材は在庫が切れてもいいけど、入り口商材は絶対に切らしてはいけません。
要がなくなると扇子の骨がバラバラになってしまうのと同様、この要の商品がなくなるとアクセスもなくなりますのでより物が売れなくなるのは目に見えています。
仕入れルートの確保、在庫を大量に積めるものカラーバリエーションが無く在庫が容易なことなどの要件を叶える商材がいいですね。

1年通して安定した需要がある商品

例えばマフラー。こちらは冬にしか使われませんよね。
例えば流しそうめん機。こちらは6~8月にのみ需要がありますよね。12月にあえて流しそうめん機を買う人は稀です。
このように季節に応じて需要に波があるような商品は入り口商材には向いていません。
通年、いついかなる時でもそして、都会、田舎関係がなく必要になるような、さらに言えば、老若男女関係のない商品というのが入り口商材には向いています。

その商品のカテゴリ上位は人気の高い上位カテゴリ

うまく波に乗って大きく販売できた場合に、楽天市場やAmazonのランキングは所属ジャンルの上位カテゴリにもランクインしてくる可能性が出てきます。
その上位カテゴリは人気があるカテゴリだった場合、人気カテゴリで上位ランクインする可能性が出てきます。
そのような商材であれば、人気が出てこれば後はランクインしていくことで安定して販売を積み上げていくことができます。
あまりにもニッチな商材はそもそも需要が少ないですから入り口商材に向いていません。
前項で示した通り、老若男女誰でも手に取る可能性があり、誰しもに必要とされる商材が望ましいでしょう。

ライバルが少なければなお良し!

これが最後になりますが、入り口商材はそのジャンルで1位を常に取れるのが望ましいです。
それを考えてもライバルは少ないほど上位ランクインはしやすいわけですからライバルは少ないにこしたことはありません。
とはいえ、ライバルが少ないジャンルは相対的にそれほど需要も大きくない傾向があります。
そんな中で需要と供給のバランスが取れていない、参入余地がありそうな商材を探すことで、ネットショップ自信が成長するかもしれないということにつながるわけです。

入り口商材の利益はどう考えるのか?2つの考え

入り口商材に向いている商品の定義を解説してきましたが、次は、その入り口商材は儲かるのか?
というお話です。

利益がない!わけにはいかないのでは?

と、いったところで500円や1000円の商品でいくらの利益が取れるのか?想像すればわかりますが大した利益はとれません。販売価格が小さいですから利益も小さいのは当たり前です。
ただ、私は1個売って赤字という価格設定はやめた方がいいです。と、基本お客様には言います。
10円でも30円でもいいから1個販売しても利益がある状態の販売価格を必ず設定してくださいといいます。(これは、販売手数料や送料など諸手数料を全部引いても利益がある状態を言っています)
なぜかというと、ここで赤字を作らなければ店舗全体の販売にとって、かなり大きな利益につながる基点になると思っているからです。
以下に示す3つの施策は、自ら費用を出して展開する施策です。
意図通り物は売れるのかもしれませんが、そもそも身を削って行う施策です。
否定をするわけではありません。これらの施策のみに頼って店舗運営をしていくと、経費(広告費やポイント原資負担)ばかりがかさみ、売り上げが伸びても利益がないという状態に近づきます。

広告は有料ですよね=マイナスです

例えば大手ショッピングモールタイプのネットショップなら、広告を本体から買うという方法でアクセスを買ってくることができます。例えば100人誘導するのに1万円かかったとします。
購買率(転換率)が2%だった場合、100人誘導すれば2人が買ってくれる計算です。買った商品が1万円なら売上総額は2万円です。広告費の1万円を引いたら残った残金が1万円です。
この残った1万円からモールへの販売手数料、ポイント付与分の原資、カード利用手数料、さらにそこから仕入れ価格を引いて残った分が利益になります。
売上の50%が広告費で取っていかれる状態ではほぼ誰しもが利益につながらないのではないかと思います。
しかし、各モールは広告を設定する際、大体先ほどくらいの価格設定(1人誘導で100円、100人で1万円)で広告を売ってきますから、大体こんな感じに落ち着きます。
もちろん購買率(転換率)は店舗のページ設計やデザイン次第で上昇もしますが、その努力はちょっと違いませんか?
広告を打たずともこの2人が買ってくれればいいですし、誘導できる100人が広告を打たずとも来てくれればいいですよね。

ポイント付与は店舗が負担しますよね=マイナスです

では、購買率(転換率)を上げるためにポイント10倍!とか、20倍!と設定して購入意欲を高めます。
普段2%だったものが2.5~3%と上昇するのは間違いないでしょうね。
しかし、その10倍を付けたポイントは結果店舗が負担するわけです。
これでは広告を買っているのと形が違えど同じことです。

セールは自ら利益を削っていますよね=マイナスです

じゃあ値引きだ!
となるわけですが、これは、結果自分の利益を削る行為です。
それでも利益があるのならいいですが、利益がない状態で売ることに意味はありますか?
特にメイン商材は、それを売って稼ぎたいわけですよね?
本末転倒になりませんでしょうか?

ちょい赤字でも全然問題ない!集客商材という考え方

先ほどスーパーの目玉セール品のキャベツの話をしました。
たまにスーパーでビックリするような値段で売っている商品がありますよね。
どう考えても利益がなさそうな値段で。
もちろんそのくらいのびっくり価格ですから人は殺到し、その商品を狙って買い物に来ます。
これを入り口商材で作るという考えは大いにありです。
スーパーでも同じだと思いますが、特価品のキャベツだけを買って帰る人はどのくらいいますか?10%?20%?
と、想像した時、100%全員がキャベツだけで帰るということはないですよね。
大半の人はほかの商品も一緒に買って帰ることでしょう。
ネットショップでも同じようなことが起きるのならOKだと思いませんか?

そういう意味では、ちょっと赤字でも、人が殺到するのならおおいにありかと思います。

だから、入り口商材なんです!

ものすごく厳しい条件定義がありましたよね。
でも、それらをクリアした商材が仮にあったとした場合、自然に売れていくのが目に浮かびますよね。
そして、大手インターネットモールは
売れる→ランクインする→ランキングページからまた人が来る→売れる(最初に戻る)
を繰り返すスパイラルモデルがあります。
ようは、売れれば売れるほど、アクセスが伸びるのです。
そして、先ほどの扇子を見てください。
要にたくさん人がこれば、ほかの商品へ放射線状に広がりますよね。
結果、入り口商材を起点にしてメイン商材も相対的に売れていくはずだというのが私の考えです。

入り口商材の実例

当方が実際に運営している店舗で起きたこと2つを事例としてあげておきたいと思います。
この2つの事例は実際におきたことです。

1.赤字覚悟の在庫処分品!上位カテゴリランクインで売り上げ全般が向上!

とあるトートバッグ。
もともとのメーカー希望小売価格は3,980円でした。ちょっと高めの設定でしたので、普段販売時は2980円。
ポチポチと出ている感じでした。
とある日、お客様よりレビューで低評価を付けていただきました。内容は、
【2か月くらい使っているともち手が剥げてきた。良い商品だと思っていたので大変残念だ。】
という内容。
もち手は合皮のような塗装を施したもので、思った以上にその塗装が剥げやすかったようです。
1人ならたまたまのあたりが悪かったのかもと考えるところなのですが、ちょうどそのころ、同じようなクレームが続出しました。
もうまともな商品として売ることができません。
そこで、この商品はもう正規品として売ることはできないので、訳を説明した(もち手がはげるという欠陥)上でアウトレット訳あり商品として送料税込1000円で販売することにしました。
この価格では赤字です。
しかし、販売できない商品ですから、倉庫に眠らせてカビをはやすくらいなら、赤字でもいいから捌いてしまうことで現金化することと、広告を売ってお金を使うくらいなら、赤字でもいいからモノをさばく方がいいだろうという判断で1000円で販売しました。

そうしたところ、驚くほど出ます。今まで1日1件あったかどうかという商品でしたが、イベントの際などは1日100件以上注文が入ります。
当時この商品の転換率は10%程度でしたから、1日のアクセス人数はこのページだけで1000あることになります。
さすがに1000人も見に来ていますから、ほかの商品も相対的に売れていきます。
結果てきに、今まで20~30万程度の月商しかなかった店舗でしたが、一気に200万を超えました気になる利益は、赤字の商品が大量に売れていることもありましたが、店舗の諸経費すべてを引いての単月決算ではほぼトントンでした。
全体を通してプラスマイナスゼロですが、数か月をかけて数千枚の訳あり品をさばけたことと、それにより伸びたアクセスのおかげで周辺の別の商品が売れたことで、店舗自身は大きく伸びました。
ただ、もともと欠陥品である訳あり商品ですから、新たに仕入れるというわけにもいきませんし、在庫がなくなった時点でピタッと止まりましたw

2.誰にも負けない価格で高品質のメガネふきを提供

もともとメイン商材が、腕時計関連グッズで、マーケットも小さく、メイン商材を入り口商材と設定するにはいささか市場が小さいので、悩みに悩んでいました。
準備した入り口商材はいくつかあり、

  • メガネふき
  • 安価な腕時計
  • 腕時計ベルト
  • ウォールポケット
  • バッグインバッグ

などなど。基本的には500~1000円で売っても10円以上は利益が上がる商材ばかり。(腕時計だけはそういうわけにはいかなかった。。。)
基本同種の商品で価格的には負けないような価格でかつ、送料込をこだわりとしていますので、基本的にメール便などで送れるような商品を入り口商材と設定しています。

その中でも、いま最も力を入れているのはメガネふき。
メガネふきと言っても、入り口商材として扱っているのは、化繊のメガネふきではなく、シカ・羊の革で作られたセーム革クロスです。
もともとセーム革は、床屋さんのハサミの刃などについた脂をふき取るために昔から使われているのですが、あまり一般に広がっていません。
しかし、使ってもらうとわかりますが、一拭きでメガネについた皮脂などはきれいに取れます。
同様にスマホの画面、腕時計のガラス面なども一撃です。
もっと言うと、化繊クロスより柔らかい繊維なので、デジカメのレンズなどにも使えます。
また、美容界では結構使われており、洗顔の時にセーム革で洗顔したり、普段持ち歩いて、あぶら取り紙の代わりで使ったりと、多種多様なクロスなんです。

腕時計のフェイスを拭くという用途があるので、入り口商材と設定したのですがw

さて、どう出るのか。。。と思っていました。
最近はやっと販売も安定してきて1日10枚前後は必ず出るようになってきました。本当は100枚ほど出るようにしていきたいのですが。
そして、最近はセーム革購入者様が2回目の購入として別の高単価な商材をお買い上げになられるケースが増えてきました。
また、セーム革と一緒に腕時計や、ほかの入り口商材などをお買い上げになられるケースも増えてきました。
まさに入り口商材が伸びればほかの商品も売れるを地でいく商品になりました。
いまは、このセーム革以外にもバッグインバッグと腕時計ベルトがもう少し安定してこないか、試行錯誤しているところです。入り口商材が3本あると、超安定するかなと思っての施策です。
メイン商材については商品ページはかなり作り込みました。
あとは、セールイベントの時だけ値引きする程度ですが、セーム革経由でよく出るようになりましたので、日々ページの改善などはあまりやらなくなりましたね。

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