北陸新幹線開業!北陸地方はどう変わっていくのか

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北陸新幹線が2015年3月14日に開業します

私の地元が富山県なので、他人事ではありません。
新幹線開業に付きこの先どうなっていくのか勝手に予想してみました。

徹底ガイド! 北陸新幹線まるわかりBOOK

北陸がブームになるのか?

ヘッドライン

過去に、東北新幹線青森開業や、九州新幹線など、最近の新幹線開業におけるブームは少なからず必ず訪れます。
なぜなら、民間企業のJRが何千億と投資し開業する新幹線ですから、乗車人員が多くないといけません。
そのため、JRが中心となってブームに火をつけようと試みます。
今回の北陸新幹線も半年ほど前からかなり積極的に北陸ブームに火をつけようと様々な努力を行っていることが目に見えてわかります。
プロモーションは現在のところ成功しつつあると言え、開業当初はかなりの人員が北陸に訪れることが予想されます。
問題はその後です。半年後1年後も、たくさんの旅行客を北陸へ運べるのかどうかは地元の努力次第でしょう。

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新幹線における重要な駅(都市)

長野駅

元々北陸新幹線は、長野オリンピックに間に合わせるように、長野まではかなり前から開業しておりました。
今回北陸新幹線の名のごとく、北陸地方まで開業したことで改めて見直されているのがこの長野駅です。
北陸新幹線のおかげで、太平洋側と日本海側をつなぐちょうど中間点であり、重要な都市となります。
もともと、遷都計画や有事の際の退避拠点に長野を推す声が多いのも、場所的に中心地であることからでしょう。
北陸新幹線にとってもちょうど中間点である長野は、この先も重要な拠点駅の一つであることは間違いありません。

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富山駅

富山駅は、富山県内でかがやきが停車する駅です。
現在までのところ、富山県はこの北陸新幹線に最も多くの費用を出してきた件です。
現状のところは、一番効果を期待しているのも富山県です。
富山県には霊峰立山をはじめ、放射線状に延びる富山駅周辺、その富山駅を中心に利便性の向上を図ったコンパクトシティを目指した富山市があります。
富山駅周辺に県や市は駐車場を準備しませんでした。
これは、市電であるセントラムを中心に自動車を利用しなくても、動くことができる街富山を目指した結果です。
富山は北陸のビジネスの中心地でもありますので、出張客、そして、立山へとつながる観光客などの降車に期待を持たれています。

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金沢駅

現在の終点にあたるのが金沢駅です。
北陸新幹線における恩恵を最も受けるであろう都市です。
金沢駅は、京都駅をモチーフに、古都をイメージしたかなり斬新な駅です。
金沢と言えば、前田藩加賀100万石の拠点です。
そして、金箔などきらびやかな工芸品、小京都といわれる街です。

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新幹線停車駅問題

北陸新幹線の快速便【かがやき】が、どの駅に停まるのか、問題になりました。

高岡駅への停車問題

高岡市は、富山県の西側地区で最も大きい市で、新幹線用の新駅【新高岡駅】を有している市です。
高岡駅には、氷見の寒ぶりが有名が氷見市、世界遺産がある白川郷や岐阜県の高山市、石川県ながら、金沢駅から行くより近い能登地方への旅行客にとっては大きな拠点となります。
そこで、高岡市は富山県に限っては富山駅と高岡駅の2駅にかがやきを停車してもらわない事には、新幹線の魅力が損なわれると、JRに幾度となく県内2駅停車を訴えてきました。
しかしながら一番最初のダイヤ発表で高岡駅へのかがやき停車に関しては0本と大変厳しい回答でした。
JRの見解としては、1つは1県に付き1停車を守ること、1つには高岡駅に停車させると、黒部や宇奈月といった他駅の要望にも応える必要が出てくる可能性が多いになったため、最初のダイヤ発表としてはルールを守ったものとなりました。この発表に高岡駅側は強く反発、市議や県議、国会議員をも巻き込んだ熾烈な停車キャンペーンが張られました。

署名活動や停車キャンペーン

議員が中心となり、富山県西側地区、飛越能観光圏といわれる、飛騨地方、能登地方も巻き込み停車に向けた署名活動が開始されました。
また、高岡市の青年会議所がもともと、新幹線かがやきが停車すると予測しかがやきというタイトルで地元民と一緒にダンスを行うプロモーションビデオを作製していましたが、停車しなかったことから停車応援ソングと名を変え展開。
このプロモーションビデオが、インターネット上で1万回を超える再生回数を達成しました。

臨時便ながら停車が決定

様々なプロモーションキャンペーンの結果からか、JRがGWに向けての臨時ダイヤの発表にて、高岡駅に当面2本のかがやきが停車することが発表されました。

今後は乗降者率が重要

当面2本の臨時便の体者が発表されましたが、今後その臨時便が定期便になるためには乗降者率が重要であることは言わずもがなです。
本当に定期便として停車させるには、高い乗降者率が必要で、そのためには新幹線駅から観光地への移動に関する導線設計、乗降車する必要を作っていかないと、止まったけど誰も乗り降りしないでは定期便停車はかないません。
現在高岡駅では積極的なかがやき活用に関してプロモーションを行い、また、富山駅には無い駐車場を整備していることから新幹線利用客への駐車場の無料プロモーションなどをかけて攻勢に出ています。

新幹線開業に伴う効果のほどは?

先般県知事が新幹線についての考えを述べる機会があり、その際に聞いてきたのですが、現在の5~10倍の来県者を目指しているということでした。
論理としては、

現在、関西や中京へ関東から来訪する客が年間で1億人近くいるということです。
そのうちの10%が、北陸へ来訪しようとすればそれだけで1000万人です。
その10%の方に、北陸にもいってみたいと思わせることができれば成功です。
また、費用的、時間的に、中京・関西より少しお得な状態になるのが新幹線開業です。
新たに、北陸という地方が立地条件的には同じになるという考えを持てば同じだけの来訪があってもおかしくありません。
そうなるために、県としては本社を富山県に持ってきた場合の税制優遇などを講じ富山県の魅力を積極的に打ち出すべき時がきました。

という論理でした。
あながち間違ってはいませんが、やり方を間違うと大失敗する可能性もあるので注意は必要そうです。

富山県の空洞化懸念

同様に、富山県には空洞化懸念があります。
新幹線の現在の終点は金沢です。
自然と金沢で降りざるを得ない状況です。
中間にあたる富山県はそういう意味では、降車されにくいという特徴を持った場所と言えます。
東北新幹線でいえば八戸駅などがそうです。
新青森駅が完成してむしろ人が減ったといわれているのが八戸です。交通の便の良さから、八戸からほかの都市へ流出はするが、受け入れとしての流入が激減したということです。
富山県がそうなるとは断言しませんが、流出が増え流入が減ることも考えられます。

まとめ~結論として北陸新幹線はどうなのか~

良い効果を生み出すのが新幹線

新幹線開業による効果はいい方向、悪い方向どちらも必ず効果は出ます。
日本という国単位で見たときには必ずいい方向に効果が出ると思われます。
なぜなら、時間が大幅に短縮されるというメリットがあり、それだけでも大きな効果を生み出すのは間違いありません。
観光客、ビジネス客ともども今まで半日かかっていた北陸地方に、2時間程度で行けるわけです。
東京から見たら日帰り圏です。

地元から見た新幹線はいい結果を生み出すのか。

この新幹線は北陸地方にとっては念願の新幹線です。40年・50年という歳月をかけてやっと来る新幹線。
来ただけではいけなく、来たことによる地元への多大なる効果に期待がかかっています。
しかしながら、この新幹線というのは良くなるところと悪くなるところが必ずあります。
一つに並行在来線の問題です。
御多分に漏れず、並行在来線であった北陸本線はJRから切り離され、富山県が中心となったあいの風富山鉄道という地方鉄道に事業移管されました。
この運用と、もう一つは並行在来線特急のはくたかからもJRは運営から手を放します。いままで、新潟に行くときに利用していた特急が無くなります。
新潟から北陸地方への来訪はかなり難しくなりました。
地元民の普段の足がJRから切り離され、出張や観光で使う新幹線が来るわけですから、より北陸地方は自動車社会になる可能性を秘めています。
また、早く東京に行けるということから、北陸に関東地方のビジネスを引っ張ってくることができれば地元にとっては成功でしょうが、逆に北陸のビジネスを東京にもっていかれる可能性もあります。
この綱引きの結果次第で地方がより地方化するか、地方が自立できるチャンスとなるのか、税制やほかのメリットを出していかないといけないでしょう。

結論からすると、何かしらの大きな効果は生まれます。それが地元にとってありがたい効果か大変なことになるのか、それは結局地元民の考え方の問題です。

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