AmazonFBAを利用してみる

フルフィルメント by Amazonを利用してみる

ヘッドライン

Amazonで商品販売を始めてもう半年以上が経過した。
最近は担当営業からいろいろな案内が来るようになり、今回FBAを利用してみようと思い立った。

Amazonという会社自体はEC会社なのかなんなのか考えてみた

Amazonといえば、1995年、現在のCEOが自宅の空きスペースで本をインターネットで販売し始めたのが始まり。

世界一長い川【ナイル川】ではなく、南米にある【アマゾン川】からとった名前。
由来は、アマゾン川のように、たくさんの支流をもつアマゾン川のように、たくさんの商品を紐づけていくという決意とも取れる思いからつけられた名前。
下手をすればアマゾン川をよく知らなくてもネットショップサイトのAmazonは知っているという人もいるくらいになったのではないだろうか。
その名の通り、ロングテール戦略という、ISBNやニッチなキーワードを中心にネット上に展開し、今や本屋CD/DVDのみならず多種多様な商品を扱い年間600億ドルを超える売り上げを持つ世界最大のショッピングモールといえよう。
創業者ジェフ・ベゾスが創業時から抱いていた経営戦略の一つに、セラーの拡大があり、現在は多数の出品者が日本のみならず世界中に存在し、Amazonの大きなトラフィックを利用してネットショップを展開しているセラーもたくさんいる。
日本(Amazon.co.jp)に関して言えば、2012年度には、78億ドル、当時の円環算であれば7000億円弱程度の売り上げで、楽天の出品者トータルの売り上げは1.2兆円といわれている。
しかし、Amazonの売り上げはAmazon自体が上げた売り上げであり、セラーが上げた売り上げは組み入れられていないらしく、実際amazon以外の出品者の売り上げは少なく見ても3割程度はあるので、そう考えると全体の流通量は1兆を超えているといわれている。ほとんど楽天と変わらない流通量だが、その7割はAmazon自体の売り上げであることから、実際の出品者としてみたときには3000億円程度の市場ということにはなる。

なぜAmazon本体の売り上げが7割を占めるのか

決してamazonは自社出品商品を優位に立つような露出やサービスを提供しているわけではなく、すべて同等になるべくサービスは提供している。
ではなぜ、Amazon本体の出品商品が7割を占める売り上げを持っているのかと考えたとき、やはりそれだけのサービス品質を維持しているからである。
楽天の1.2兆のうち8000億円を占める売り上げを持つ出品者がいるかもしれないというのと実はあまり変わらないのである。

出品者Amazonの品質とは

出品者としてのAmazonは通販事業者として完成されたモデルである。
たとえば注文が発生してからお客様に届けるまでのリードタイムを少しでも短くする努力であるとか、何種類もの段ボールサイズを持ち、注文商品にぴったりの段ボールサイズで発送、段ボール自体にロゴが入っており届いたらすぐわかる良さ。また梱包品質なども、申し訳ないが、数億程度の売り上げの出品者では到底まねができないような徹底ぶりである。

また、ジェフ・ベゾスが創業当初考えた経営戦略の一つに、セラーが増えて商品が増えそして価格が下がる、そうすることで利用者が増えるという好循環サイクルを描いており、現在その通りに進んでいる。
そして、通販の一つのキーである送料をamazonプライムでは、無料にすることで利用者が支払う総額をかなり下げている。
ネットショップ利用者の平均購入価格が1万円前後であると考えると一般的な送料630円というのは実に購入価格の6%を超えるのだ。
その送料を無料化することで、価格の押し下げを実現している。
では、その無料化した送料はどうなるのかというと、もちろん運送会社が【無料】で運んでくれるわけがない。
運賃はAmazonが負担していることになっている。
普通に考えれば、ほとんどの場合、【送料込み】の価格設定をしていくものなのだが、とはいえ、楽天で同等商品を探したときよりやはり送料分ほど安いことが多いのだ。
そうなればもちろん同じ商品なら安いほうがいいということになるし、また、販売者がAmazonであるため小さなショップ会社より安心できると考えがちなわけだ。
まさに、ジェフ・ベゾフが創業時に考えた、商品点数が増えユーザが増えセラーが増え価格が安くなるの好循環モデルに突入している。
なぜそれでは、送料込みの値段設定でも安くできたのだろうか。
それは、数の論理であり、日本国内だけでも7000億~8000億近いAmazon発送の商品があるわけだ。
売り上げと平均購入価格から計算すると、1日に20万個口ほど発送している計算になる。

仮にあなたが上場企業の運送会社の社長だったとしよう。
黒い猫や昔ながらの飛脚を雇っている会社の社長である。
amazonジャパンの社長が来社し、こういってくる
【1日20万個口ほど安定して発送するので少し送料おまけしてよ。あとさ、離島とか沖縄とか面倒なこと言わないでよね。1日20万、1年で8000万個口ほどあるからさ。もちろん、どの地域に発送するものかとかの仕分けとか、発送伝票はこちらでやるからさ。どう?】
と、言われたらどうするだろうか。
もちろんライバルもいるわけだ。
採算が合うレベルぎりぎりまで送料を下げるのではないだろうか。
1日20万個口というと、1000個口でトラックが満載になったとして200台だ。
それだけのトラック運転手の仕事は保証されているのだ。
運転手の給与とトラック代、燃料、メンテナンス代などの諸経費とほんの少しの利益を考えればそれで十分だ。
仮に1個口の利益が10円しかなかったとしても安定して出ていくことを考えれば、十分すぎる。
1個口当たりの利益が10円だったとして、先の計算では、Amazonから上がる利益だけで8億円ある。
また、トラックが満載になるだけの荷物を1か所で受け取り、エリア拠点まで運び個別発送するわけだから、圧倒的に業務効率も良い。
そういったことを考えると、私たちが運送会社と交渉して得る送料以上にディスカウントされて当然なのである。
もちろん完全な0コストで発送しているわけではないが、極限まで安くなっているのでその分のAmazonの負担が軽減されるために送料無料とし、それでいて販売価格は他モールに負けない価格を設定できるのだ。
amazonの出店者が成り立っているのはネットショップ出品者の巨人としてのAmazonが存在してその中でアマゾン内で出品している私たちもお客様の注文を得ることができるのだ。

amazonに負けない価格設定は可能なのか

答えでいうと不可能ではない。
卸価格をもっと安くし送料を込みにしてもAmazonより安くなる価格設定をしたり、赤字覚悟で在庫処分セール的な販売をすればもちろん勝負としては打ち勝てる。
しかし、利益を上げることが大事であるということを忘れてはいけなく、また、卸価格を安く設定してもらうというのは結局のところ問屋さんが泣くという話で、それでは面白くない。
また同様に、運送会社に運賃をただ値引きしてもらうのは結論からすると運送会社が泣いているだけで、だれもうれしくない。
Amazonのすごいところはみんなが少しずつ負担をすることで数を集め、大量に出すから結局大きな利益を得ることができるという全体を見渡した好循環のビジネスモデルを構築したことだ。

話を戻して、Amazonは通販事業者なのだろうか

答えでいうと、通販事業者である。
しかし、その実態は通販事業者という顔はあるが、通販での利益は最低限の薄い利益でよいと考えている。
amazonがコアにしたいと思っているのは、好循環モデルそのものであり、そのモデルを理解したセラー(出品者)、卸業者、運送会社というグループ全体で利益を上げAmazonはそれに乗った業者から少しずつ手数料をもらうというビジネスをコアだと考えていると思われる。
なので、私たちはAmazonの商流に便乗することができる。
それがFBAなのだ。

FBAとは

FBAは、FullFilment By Amazonの略で、要はフルフィルメントサービスである。
フルフィルメントとは、注文を受けてから、梱包し発送、を運営し”管理する”ことであり、サービスと付くからにはそういった運営・管理を依頼すれば私たちは受けることができるのだ。
運送会社や倉庫会社は以前よりその種のサービスを展開してきている。
最近はある会社は、アパレル関係のズボンのすそ直しなどもサービス展開し始めたりしている。
FBAもその名の通りamazonが提供するフルフィルメントサービスであり、また、Amazonセラーがフルフィルメントを利用してAmazonで商品販売を展開するのであれば、FBAへの納品処理と商品展開さえしてしまえばあとはほぼ全自動で販売確定-発送完了まで行ってくれるのだ。

amazonがFBAでやりたいこととは

もちろん、自社在庫品の管理と販売、流通網を大拠点として設け、発送個数を増やすことで送料コストの低減や管理コストの低減を目指しているのは言うまでもない。
そのために、もっとたくさんの在庫ともっとたくさんの個口発送を行うことで、さらなるコストパフォーマンスをめざしそしてそれでいても高品質な梱包と発送を目指しているのだ。
FBAを利用するセラーはAmazonと同等の梱包と輸送コストで顧客に商品を発送できる。
小型サイズの商品で、預けてから発送までに約1か月程度であれば倉庫預入費用を含んでも300円弱で梱包・発送まで行ってくれる。
どう考えても自前で運送会社と契約するよりも・倉庫に在庫を持つよりも安い。
amazonが目指すものの一つとしてセラーと自社の共存共栄だ。
また、大多数がそうやって倉庫を利用することでAmazon自体も維持コストを分散できるし、将来は自社が在庫を持たずとも同等の商品ラインナップで手数料をもらう在庫リスクのない商売へと移行できる。
しかし、それに関しておそらく商品点数が今以上に充実していれば誰もクレームをつけないだろう。

私は、FBAに関して当初ネガティブだったが、倉庫を見学に行ってから一気に考えが変わった。
ネットでは梱包が雑であるとか間違い発送が多いとかいろいろ言われており、自社の大切な商品をそんなところに預けることはできない。
と、ずっと考えていた。
しかし、Amazon倉庫自体の問題ではなく、間違いのほとんどは発送元である店舗の商品タグの針間違いであったり、梱包の問題もAmazonの梱包ではなく、発送元の梱包品質の問題だったりしている。
また、Amazon自体も注文があってから発送までの過程に関する品質に関しては徹底しており、ミスが起きないように何を行うべきか日々改善を重ねている。
また、従業員に関しては商品のピッキングから発送までのプロセスを徹底的に指導し、また、自分たちの体を守るために重量の問題やカートの使い方、歩く速度まで指導する。
指導ブースがあり、一般企業の倉庫レベルの広さを使い指導する。
倉庫品質の向上に努めているAmazonの倉庫品質は他社同党からそれ以上の品質はあるだろう。
ネットショップという特異性を持った倉庫という意味では最高レベルであるのは間違いないと感じた。
なので、少しずつ使ってみて、今後大きな商いをやっていくことができるパートナーの一つかどうかを見極めていきたいと思う。

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