米国デフォルト危機で世界恐慌?米議会とオバマ大統領

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米国で何が起きているのか

ヘッドライン

米国の政府機関閉鎖により、自由の女神やNASAへの立ち入りが禁止されたことがニュースなので報道された。
いったい米国で何が起きたのだろうか。

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米国新年度の10月からの予算決議が通っていない

日本の場合、4月から新年度となり、国会にて新年度予算を通過させ予算執行を行う。
つい最近まで、衆・参議院のねじれ国会と言われていた。

なぜ日本は債務不履行(デフォルト)がおきなかったのか

一つには、衆参のねじれはあるにせよ、日本の国会は衆議院の優越というものがあり、たとえ参議院で否決されたとしても、最終的には衆議院の議決がをもって決定される。
また、暫定予算という国会で本予算の議案が可決するまでの間暫定的な予算を緊急避難的に組み、可決までをやり過ごすこともある。
それでも民主党政権の際には債務不履行の可能性が取りざたされたりしたが、自民党との歩み寄りなどで債務不履行にはならなかった。

米国下院に優越はあるのか?

日本の衆議院、英国の下院には優越権があり、最後までもめた場合、この優越をもって議決とするというものがある。
日本の場合はたびたびこの衆議院の優越があることで参議院不必要論へと昇華することがしばしばある。(衆議院の議決を押し通すのなら、そもそも参議院の必要性はないではないか)
また、不必要論が出ると、必ず対立論として必要論も出る。(参院選挙制度・解散が無い半分ずつの選挙なので、時代に即した議席になるといわれているや、そういうところなので、良識の府なので、必要なのだという論法)
では、米国には、日・英のような優越はあるのかというと、無いのだ。存在しているのは、下院の先議権(先に議決を取る権利)だけである。
日・英は、参院・上院が、仮に議案に対してNoと言っても、ある一定のルール・期間を経ても衆・上院との意見に違いがあれば結果として衆・上院の議決が国会の議決となる。
しかし、米国には優越が無いため、食い違いを見せる議決が出る場合、同じ議決になるまで何もできなくなるのだ。
現在米国は、上院が共和党、下院が民主党の議員が多いために、たびたび衝突が起こっている。

暫定予算について

結果的に同じことなのだが、暫定予算の議案も今回は通らないくらい、上・下院での攻防が激しい状態だ。
米国も日本と同様に暫定予算を組んでこのような場合に政府機関が止まらないよう努めるのだが、今回共和党はかなりの強硬策に出ており、暫定予算も否決されてしまったのだ。
これにより、政府機関が停止する事態となった。1995年にもあったそうだ。
構図は本年と似ており、大統領が民主党(95年当時はクリントン大統領)だった。

世界恐慌?世界経済への影響は?

じつは、小さなシャットダウン(機関閉鎖)は、結構頻繁に起きている。そのほとんどが期間が休日の週末1~2日であり、業務に支障をきたすことはなかった。
唯一の例外が95年のもので、20数日閉鎖された。
その時は、その時点での世界的な影響はなかったのだが、95年を境に米国が米ドルを強いドルとする政策へと転換。
そこまで安く推移していた米国通貨で、安定していたアジア経済が打撃をこうむり、アジア通貨危機を招いた。
当時日本では2日で約20円の暴騰がおきたりと、アジア経済がずたずたになっていく。
日本はこのあたりで、バブル景気の崩壊、失われた20年と言われる不況にあえいだ。

95年当時と似ているところも多いため、今すぐというよりその先2~3年が非常に危ないだろう。

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