物流倉庫建設ラッシュ・・・家電量販店の大反撃とは


最近、関東・関西において大手家電量販店の大規模な物流倉庫の建設ラッシュだ

なぜ、そのようなことが起きているのか考えてみた。

ベースはネット販売

外資のAmazonが、Amazonジャパンという会社を作り、Amazon.co.jpにて、大きなネットショップ網を展開している。
物流倉庫拠点も12拠点(共同倉庫を合わせると13拠点といわれている)有し、1社取扱流通量では他社の日ではない。
楽天は流通総額が1兆2000億円に達したといわれているが、Amazonは、Amazon一社の売り上げで7千億を超え、参入している小売店の売り上げを加味すれば優に1兆円を超えているといわれている。

そんなネット販売は特に家電などは、地元の家電量販店の数割以上安く手に入る、最新機ではないが直前機などディスカウントされやすい商品が当然のように販売されており、市場としては地域に大型店舗を建設するよりローコストであることも考えるとすでに実店舗よりネットショップのほうがはるかに大きいのではないかといえる。
大手家電量販店のヤマダ電機がピーク時に2.1兆円、直近決算で1.7兆円である。
あれだけの大型店舗を有する量販店が、楽天やAmazonとそこまで変わらない売り上げなのである。
店舗を構えない形式であるECの利益率を考えると店舗維持にのかかる実店舗のほうが利益は薄いだろう。

また、最近は問屋も小さな小売店にでも安く卸値を設定していること、ドロップシッピング形式(問屋が顧客へ販売店舗の名前にて直送する形式)などで総量を確保することにより大手量販店じゃなくとも安価な設定がしやすい世界になってきた。
大手家電量販店のようなところは更なる総量拡大のためにはネットへの参入は不可避だ。

大きな物流拠点を持つメリット

楽天のビジネスモデルは、出店者の裁量・責任ですべてを準備し(クレジット決済以外)、商品の卸値から販売価格、運送会社の選定から運賃の設定まで自由裁量だ。
実店舗でいえばテナント出店してもらい、運営会社は家賃やロイヤリティが収入になる。店子は、売り上げを伸ばすために集客効果の高いモールを選ぶという実店舗と変わらない運営形式だ。
店舗ごとに仕入れルートも販売品目もサービスも違う。運送会社や問屋も各店舗ごとに契約し販売する。

Amazonのビジネスモデルはその販売者がとてつもなく巨大化した中で、乗り入れ出品をほかの販売者に認める販売方式だ。
これは、楽天と違い極端な価格戦争が起きる。
デフレスパイラルをIT化したようなモデルである。
勝負は価格設定のみであり、卸値が1円でも安く、そして、薄利でも大量に裁くだけの体力があるところが勝つ。
最後の勝者はほしい商品を1円でも安く買うことができた購入者であろう。

物流倉庫をまとめる

楽天とAmazonの違いは1社が持つ物量・販売総量の違いだ。
楽天は楽天という会社独自のビジネスも、楽天を利用した他社の出店者もさして変わりはない。
AmazonはまずはAmazonという販売者ありきで、圧倒的な販売数量を誇る。
実際にネットショップオーナーであるAmazonは、物流倉庫を持ち、その物流倉庫から商品を発送することになるわけだ。
売り上げからざっくり計算してみたところ、1日10万個口~20万個口程度発送している計算になる。
実際どのくらいで契約しているのか非公開だが運賃が仮に400円だったとして、毎日4000万円の売り上げが安定して存在するのだ。
10万個口の発送であれば、トラック何台分だろうか。占有トラックを10台や20台準備しても、専属ドライバーを何人か雇っても十分利益が上がりそうだ。
そうなってこればAmazonの運送の仕事を受けたい運送業者が更なる値引きと品質による売込みが起きてくる。
結果、おそらくどこより安い運賃で商品を届けることができる。
同じ販売価格で同じ卸値で商売していれば、1個口当たり100円も200円も利益額が違う計算だ。
ましてや10万個口も捌いていれば、1日で1000万も2000万も利益が違ってくる計算になる。
数の論理といわれればそれまでだが、それ以上に強い戦略もないだろう。

更なる高みへ登ろうとするAmazon

Amazonは上記にプラスして更なる飛躍のためFBAというフルフィルメントサービスを始めている。
Amazon以外の出店者が、Amazon物流倉庫に商品を納め、管理から発送までをAmazonに委託することができるサービスだ。
これのメリットはたくさんあり、まず一つが送料だ。梱包手数料及び発送手配手数料合わせても約500円ほどで(サイズや重量による)、まだまだ運送会社と価格交渉ができない程度の数量しかない店舗にしてみたらこの時点で100円も200円も安く発送が可能になる。
Amazon側も大きなメリットがあり、おそらくこの手数料自体でも利益は上がっているだろうが、それよりも総量の増加だ。
Amazon直販の商品以外もAmazon倉庫から発送できるということは全体量がかさましされ、運送会社に対して更なる価格交渉がやりやすくなる。
私の勝手な見立てだが、普通の店舗が価格交渉して600円ほどの物で、たくさんの発送を行う企業で400円、大量の発送を行う倉庫や店舗で300円当たりのところ、Amazonは200円台ではないかと推測している。
それでも月間の売り上げにすると数十億単位になるだろうし、それだけの発送物があれば拠点の集配は毎日10台~20台のトラック、そこから各地方へ送るわけだが、それも毎日何十万個口もあれば各拠点に数十~数百の発送物が集まり、トラック1台が1日県内を駆け回るくらいの量があるのではないか。要はまだまだ採算が合うのではないかと思っている。

おそらくAmazonが目指したいのであろうと思っていることは、各県に対して直接拠点からトラックを満載にしてそのまま移し替えもせずお客様のお宅へ届けることができるだけ、トラックがすべて満杯になるだけの物量を準備すれば更なる運賃値下げができると考えているのではないか。そう推測している。
どんどん安くすることでAmazonは価格的にも、お届けまでの時間的にも品質的にもライバルより優位に立て、結果お客様の満足度に貢献できると考えているのではないか。

家電量販店の逆襲

そんな中で家電量販店がここ最近関西・関東に大型物流拠点を建設するというニュースが連日のように舞い込んでくるようになった。
家電量販店の逆襲だ。

元々、1兆を超える売り上げがある家電量販店。
その売り上げをベースに大型倉庫を建設しても、何ら問題はないだろうし、こちらも上記のAmazon同様、物流拠点を中心に各量販店へ商品を発送するように集中化させることで運賃下落がねらえよう。
また、家電の中でも大型家電は購入しに来たとしても今すぐ持って帰ることはもともとできない。
サンプル品以外を物流拠点に集中させ、注文があったら購入者のお宅へ翌日には届くように運送会社と交渉すれば今の店舗スペースをもっと有効活用できるだろう。
Amazonとは違いECより実店舗をベースにした大きな物流を作り出したいという意図が垣間見える。
また、この物流拠点を中心にしたビジネスにEC店舗が参入しても、何も変更する必要がない。
ネットでの注文も、店舗でも注文も拠点に集中して受発注業務が来るようになればどこで売れようが関係がない。
在庫の管理と、価格の管理さえできればむしろ幅も広まるし、知名度も相まってあとは価格勝負というところまで持って行ける。

Amazonがさきがけ一大物流を創り上げた中で大手量販店はどこまでできるのか。

小さな小売店はどうなっていくのか

Amazonや大手量販店と同じことをやって勝とうと思うのは無理がある。大資本がない小さな小売店は何を利用するのか、どう扱うのかが勝負になろう。
まず、価格勝負で勝つのは先述の通り不可能になっていくだろう。
そうなっていくと、大手販売店ができないことをやるしかない。
安く仕入れて高く売る。そのベースの中で、大手が手が出せないこと。それはどうやっても独自性の高い独占性の高い商品の発掘や開発、むしろ量販店が扱わせてほしいと依頼してくるような商品を見つけることだろう。
大手量販店は、どちらかというの人気があることを知ってから扱い始めるので、人気を作るのが私たち小さな小売店の使命ではないだろうか。


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